世の中にはたくさんの癒しのためのツールやスキルがあります。
ただ、その場では癒された感じがしたとしても、日常生活に戻るとまた同じパターンを繰り返していたりしませんか?
夢や理想はあるのにいつもどこかで挫折し、同じ場所でぐるぐるしている感じはありませんか?
でも、癒しに必要なステップをたどり、根本から自分自身を癒していけば、その場限りではない「しあわせな自分」を創造し続けていくことができます。
そのためにHITキャラクトロジー心理学では、1day講座など知識として内面世界の構造をお伝えすると同時に、真の癒しを得て一歩ずつ、でも着実に人生を変えていくための癒しのスキルを提供しています。
誰でも扱える癒しのスキルには、SAS(HIT-セルフアウェアネススキル®)、STS(HIT-セルフトランスメーションスキル®)、CCT(キャラクトロジーコーチングテクニック)があります。また、トラウマの最奥の場所で感じられなかった感情を感じるためのプロセスグループワークを毎月、全国各地で開催しています。
これらのスキルやワークはすべて、キャラクトロジー心理学協会代表の山本美穂子が45年以上かけて、自身を癒してきた過程で実践・検証してきたもの。「この部分にはこれが一番効く!」と実感したものを誰でも扱えるスキルに落とし込んでいます。
ただし、これらのうちのどれか1つだけをしていればよいというわけではありません。
真の癒しには、肉体的、感情的、精神的、霊的、エネルギー的という5つの側面から、トラウマ(※)の最奥の場所にアプローチし、そこでの誤解を解き、真実に開いていく必要があるからです。
正直、一度セッションやワークを受けたからといって、劇的に人生が変化することは少ないかもしれません。
けれど、3カ月、半年、1年と続けていくうちに、以前の自分からは想像できなかった「しあわせな私」に、確実にたどり着くことができます。
この人生で叶えたい夢や理想があるなら、それに向かって行動するのと同時に、自分自身の癒しを進めていくことが、一番の早道といえるでしょう。
では、その道筋は、どのように進んでいくのでしょうか。キャラクトロジー心理学のキャラクターたちを交えながら、ご説明していきたいと思います。
(※)ここでいうトラウマとは、虐待やネグレクト、レイプなどの耐え難い体験だけでなく、赤ちゃんの頃おっぱいがほしくて泣いたのに「お母さんがすぐ来てくれなかった」など、日常の些細な出来事からできた心のキズのことも含みます。
登場人物
キャラクトロジー心理学を創始し、自分の心の取り扱い方や人生の変え方を熟知した心の専門家。ヒーリングクリエイターであり、天性の教育者であり、また会社経営者としての顔も持っている。
頭の中は次から次へと湧いてくるワクワクや希望でいっぱい、叶えたい夢はたくさんあるのだけれど、どう現実化するかがわからない。いつもびくびく、おどおどしていがちであまり存在感がない。≫ スキゾイドとは?
人の気持ちを汲み取ることが得意で優しさあふれるハートを持つ、女の子らしい女の子。可愛いキラキラしたものが好き。反面、すぐにうじうじメソメソしたがる面倒な側面も。≫ オーラルとは?
「みんな一緒?」が大好き、誰とでもすぐに仲良くなれるムードメーカー。ゆえに確固たる自分の意見を持っておらず、八方美人で自分で決めることができない優柔不断なところがある。≫ マゾキストとは?
率直で、人より目立つことが大好き。カリスマ性のあるリーダーシップを持っているけれど、思い込みが激しく、一人で突っ走ってしまいがち。言動がはっきりし過ぎるため無意識に人を傷つけてしまうことも。≫ サイコパスとは?
真面目で常識的で、すべてにおいて適切な対応ができる優等生タイプ。芯は情熱的で好きなものにはとことんのめり込みたいのだが、自分の殻を破れないことが悩み。キレるとこわい。≫ リジットとは?
自己責任の意識を持ち、どうなりたいかを意図する
美穂子先生、実際には、どんな流れで進んでいくの?
意図というのは「○○をするために、△△をする/しない」を決めること。
そして、「自分を癒すために、他人や社会のせいにしない」、つまり自己責任を取るという意識を持つことがとても大事になります。
自分を癒そうとするとき、「あの人が私にこうしたから」「私にはどうせ無理」「世界がこんなだから私はちっとも変われない」など、自分以外の人や出来事のせいにしていたら、その下にある癒しのステップには進めません。
どんなにスキルがあったとしても、この意識のままだと、「○○したいのに、できない」という永遠の葛藤の中に居続けることになってしまいます。
そこから脱却するには、「あぁ、私は外側の世界のせいにしているのね」「私にはまだまだ知らないことがあるのかもしれない」などの理解を入れながら、グラウンディングして、呼吸を入れて……スローダウンして。ゆっくりと、自分のプロセスを見ていきます。
実は、自分が体験してきていないことは、リアルに思い描くことができません。ということは、現実化するのも難しいのです。その逆に、自分が体験してきたことは、リアルに思い描くことができます。そうすると、無意識のうちにスルリとそこに流れていってしまうのです。
SASで過去の傷を見つける
そのために、まずは自分の中にある夢や希望を現実化できない理由はどこにあるのか。なぜ、そのような状態をつくってしまったのか。その原因をプロセスを通じて探っていきます。その手順を説明していきますね。
自分の夢や理想の実現を阻む原因が、自分の幼少期のどこかにあり、それがキズとなって現実を歪ませているのだとしたら ――まずは過去のどのような出来事が、心のキズとなってしまったのかを見つけていくことが必要になります。
そのための手法としてリリースしたのが、トラウマの最奥の場所を見つけるためのスキル、SAS(セルフアウェアネススキル)。この過程を抜きにして癒しは進まないというくらい、ものすごく大事な部分です。
「そういうことがあって、キズができてしまったんだね」と、過去の原因を見つけ出すというのは非常に重要な部分ですが、さらにそこから、そのキズをどのように癒していくかというプロセスが大切になるのです。
感情や感覚を感じることに抵抗しない
癒すためには、感情や感覚を感じることに自分を開き続けていく必要があります。
ただ、ここでいう「感情や感覚を感じる」とは、過去の出来事を思い返して、怒りをぶちまけたり、泣きわめいたり、無力感に浸ったりするということではありません。
そうではなく、「ここがトラウマの場所なんだね。このときに何があったのだろう。どんな感情があったのだろう」とみていくとき、「怒りを感じたんだ」「罪悪感があったんだ」と頭で思うのではなく、その感覚を身体で感じていくことが重要になります。
この部分は、あなた自身が自分で感じていくしかありません。ほかの誰かがあなたの尿意を感じてトイレに行って用を足すなんて、できませんよね。それと同じことなのです。
そして感覚を感じるには、グラウンディングしているということが絶対的に必要になります。そうでないと、深いレベルで自分自身とコンタクトを取り、肉体の筋肉や細胞レベルにあるキズの記憶をリリースすることができないからです。
怒りの感覚は、みぞおちのあたりから真っ黒で熱いコールタールのようなものが口元にせり上がってくる感じかもしれません。罪悪感は、全身の皮膚がピリピリとして熱く、モワッとした感覚をともなうものかもしれません。
人によって、さまざまな感覚がありますが、これらを「こんな感じと、あんな感じと、こんな感じで……」というように、ただただ感じていきます。
このような感覚を得ることで、私たちは赤ちゃんのときに感じ取っていた感覚、まだ言葉を持たない状態でこの世界から感じ取っていた感覚に、ようやく気づき始めます。
赤ちゃんのときに感じたこの感覚に似せて、私たちは今の現実をつくっています。そのときの感覚が、一体なんなのかがわからないために、「これってなんだろう?」という意識が働き、今の現実の中でもそれと同じ感覚を覚えるような出来事を引寄せているからです。これを続けていたら、いくらスキルがあっても、望む現実、望む未来をつくることはできません。
逆をいえば、子どものときに感じたの感情や感覚を思い出し、それを感じることに抵抗しなければ、それだけ早く顕在意識にその感覚が上がってきます。そして、それを理解することで、いつもと同じパターンの現実から抜け出し、新しい可能性に開いた現実、そして望む未来をつくり始めることができるのです。
トラウマの最奥の場所で真実に気づく
やっぱりそこを通り抜けないと、癒しへの道は進めないんですね。
SASでトラウマの最奥にある出来事を見つけたら、今度はその場所にあった「周りの真実」に気づいていきます。過去のその場所で心にキズがついたとき――たとえば、お母さんに来てほしくて泣いたのに、すぐに来なかったことで「どうせ自分のニーズは叶わない」と思ったり、夫婦喧嘩でイライラしているお母さんのエネルギーから「世界は私を拒絶する」と感じたりしたことで、私たちは肉体的、感情的、精神的、霊的、エネルギー的に、何かを誤解をしてしまっているのです。
今の現実の中で、「恋人がほしい」「お金持ちになりたい」「遣り甲斐のある仕事をしたい」という思いの実現化を阻んでいるのは、「どうせ自分のニーズは叶わない」「世界は私を拒絶する」などの誤解ができてしまったから。ずっとその誤解を握りしめていたら、自分の夢や理想が叶ったときの感覚というのは、感じることができません。
そこで、アダルトエゴ(大人の自分の視点)を入れながら、そのときの状況の中にある真実に気づいていきます。
幼い子どもの意識では、お母さんに来てほしくて泣いたのに、すぐに来なかったことで「どうせ自分のニーズは叶わない」と思ってしまった。でも、その場面を大人の視点で見ていくと、もしかしたら、お母さんは一生懸命あなたのミルクをつくり、あなたの泣き声に焦りながら、それを冷ましていたかもしれないということが理解できるかもしれません。
または、夫婦喧嘩でイライラしているお母さんのエネルギーによって「世界は私を拒絶する」と感じてしまった。でも、大人の視点をそこに入れると、親も人間だよね、喧嘩したらイライラするよね。それでも、お世話してくれていたんだね、という理解が入るかもしれません。
このようにして誤解に気づき、「あぁ……そうだったんだね」と理解することで、現実の世界のあなた自身が、自分の夢や理想を創造し始めることができるようになっていきます。
相反する感情を自分の両手に持つ
この絡み合った場所にソフトなバウンダリー(境界線)を引き、「ここには愛があったね」「でもここに、怒りもあったね」と、感情を仕分けていくときに有効なのが、CCT(キャラクトロジーコーチングテクニック)というスキルです。
たとえば、ベビーベッドで泣きながらお母さんを求めているのに、ほかのきょうだいの世話があったり、料理中だったりして、お母さんはすぐには来てくれなかった。そこで、「なぜ、来てくれないんだ!」という激しい怒りが湧いたとします。
けれどその一方で、幼いあなたにとって、母親は絶対的な存在で、愛してやまない人でもあります。そういう人に対して、激しい怒りを感じてしまった自分に耐えられなくなってしまうのです。幼い意識では「愛」と「怒り」という、相反する感覚を同時に持つことができないからです。
そこで、「これとこれはちがう!」「これじゃない、ちがう!」となり、両方を持てない自分にイライラするのです。ただ、これは未熟な子どものときだからであって、成熟した大人になれば「幼い私の中には、こういう気持ちも、こういう気持ちもあったのだね」と、両方を持てるようになります。
そして、相反する感情の両方を持つとどんな感じがするかを知ることではじめて、自分自身の内側のキャパシティが広がります。こうして深い意識のところにスペースが広がれば、今の現実の中でもキャパシティが広がり、未来ではさらにそれが広がるようになります。
ネガティブインテンションからポジティブインテンションへ
意図を変化させるときに有効なのが、STS(HIT-セルフトランスメーションスキル®)です。
このネガティブインテンションは、まぎれもなく、あなた自身がつくったもの。お父さんやお母さんなど、ほかの誰かがつくったものではなく、自分自身が未熟な意識ゆえに、信じ込んでしまったことなのです。
「私のニーズは叶わない。だからニーズなんて伝えない」「私は世界から拒絶されている。だから私から世界を拒絶する」などというネガティブインテンションを信じて採択していることで、今、思い通りの現実をつくり出せていないのであれば、自分がこうなりたいと思い描く未来も、つくり出すことができません。
自分のネガティブインテンションに気づいたら、今度は現実の世界で毎瞬、毎瞬、ポジティブインテンション(ポジティブな意図)を選んで行動していきます。
「私にはニーズを叶える権利がある。だから私はニーズを伝える」「私は世界に歓迎されている。だから私は世界を受け入れる」というように。
こうしてポジティブインテンションを選び続けることにより、今までとは違うポジティブな現実が創造されていきます。そして未来もそれに連動して、あなたが望む方向へと変わっていくのです。
サポートを得ながら、過去に置き去りにした自分を取り戻す
こうしたステップを踏んで、癒しは進んでいきますが、トラウマの最奥の場所で自分を癒すということは、一人ではできません。人との関係性でキズついた場所は、人との関係性の中でしか癒されないからです。関係性の中で、もう一度自分の現実を創りなおす(re-creation)のです。そして、そのためには、誰かからサポートしてもらえる環境を自分のためにつくらなければなりません。
自分よりも大きなスペースを持って、ホールドしてくれるヒーラーやセラピストがいてくれることは、あなたの癒しの大きな支えとなります。そして、自分以外の誰かの存在を身近に感じるときにはじめて、子どもの頃に混乱した状態のときにはなかったサポートを受け取ることができます。自分のニーズをわかってもらえず、凍りついてしまったその場所で、自分に寄り添ってくれる存在がいると感じることで、静かにハートが開いていきます。
そこでどのような感情や感覚が起こってくるかを、ただ静かに待ちます。だからこそ、スローダウンすることが大事になるのです。ここを待てずに、「私がほしいのはこれじゃない!」「早くなんとかしてよ!」「私を助けてよ!」となった瞬間、子どもの意識に戻るので、サポートとしてそばにいる人とのコンタクトが途切れ、いつもの状態に戻ってしまいます。
サポートする側というのは目の前の相手に対して、何かをするというわけではありません。ただ、目の前にいる人のエネルギーフィールドよりも大きくなり、「私はここにいるよ。私を見て。私の存在を、ここにあるということを知って」というスタンスで、ただそこにいる。それだけなのです。
こうした場をつくるために、月に1度、全国でプロセスグループワークを開催しています。ここでは、これまで述べてきたようなステップをたどり、その人が意図したところまで、ともに癒しのプロセスをみていくということをしています。
そして、自分をもう一度取り戻し、現実を創りなおしていくre-creationの道すじを歩むとき、さらに大きな関係性、つまりコミュニティがすぐそばにあること、またそこに自分が属しているという意識は、癒しのスピードを加速してくれます。必要だと感じたときにはいつでもサポートを求めることができ、また必要としている人に自分からもサポートの手を差し出すことのできる、そんな場所です。
私は、このような安心安全なコミュニティを創りたいとずっと願ってきました。その夢が叶ったのが自宅の隣に建設したハートインタッチヒーリングセンターであり、そして、物理的・空間的な距離を超えていつでもつながり合い、サポートを得られる場として2019年4月から動きはじめたウェブ上の会員制コミュニティ、 Heart in Touch Villageです。
プラクティショナーさん同士が連携し合っているので、仮に自分の提供スキルより適したスキルがあると判断したら、最適なものを紹介してくれるはずよ。
癒しは誰でも、いつからでも始めることができます。
そして、自分を癒した分だけ、現実は変化していき、未来に思い描いた夢や希望を叶える速度は加速していきます。
あなたにしかできない、あなた自身の癒しの道を歩み始めてみませんか。