ハートインタッチヴィレッジの仲間たち

吾輩は仔猫である。

 

先日、ハートインタッチヒーリングセンターの敷地内で生後1ヶ月ほどの仔猫を保護したのですが、センターに集う仲間たちの善意のリレーによってあっという間に家族が決まり、玉の輿で引き取られていきました。

お読みいただくとわかるかと思いますが、誰も何かを強制されたわけではなく、ただただ一人ひとりがその時にできる最善を選んでいくだけで、奇跡が連なり優しい世界が紡がれていきます。

この、ハイヤーセルフの愛のリレーの物語を、当の仔猫の目線から物語仕立てでご紹介したいと思います。

仔猫、現る

吾輩は仔猫である。

名前はまだにゃい。

気がついたら、この家の庭に迷い込んでいた。

 

吾輩は、いつもお腹が空いている。

落ちているものを口に入れてみるけれど、

硬くて筋張っていてとんがっていて、

おいしくない。

ふわふわもふもふしたものを

ちゅーちゅーしたいのになあ。

 

突然目の前に人間の手が伸びてきたと思ったら

ふわっと持ち上げられた。

びっくりして、引っ掻いた。

引っ掻いても引っ掻いても

その人間の腕から逃げ出せないので、

今度は思い切り噛み付いたけど、

人間はびくともしにゃい。

怖かったけど、人間の腕の中は

あたたかかった。

 

ふわふわ、もふもふ、ちゅーちゅー

 

「・・・とりあえず即席で、
段ボールとプラスチックのコンテナで
仔猫の居場所を作ってみたんだけど・・・」

人間の話し声が聞こえる。

人間の顔が二つ、吾輩を覗き込んだ。

最初の人間は “まーくん”

新しく現れた人間は“ひろこちゃん”というらしい。

 

「HIT唯一のアニマルヒーラーのかおりさんに
仔猫のヒーリングをお願いしたの。
ちょうど今ヒーリングしてくれてるはず」

“ひろこちゃん” が “まーくん”に言った。

 

そういえばさっきから、

目の前の人間の声以外に

誰かが何か話しかけてきているような気が

していたんだった。

それは人間の声にゃのに、にゃんとなく

仲間に近いような、不思議な感じがして

その声を聞いていたら、

ふわふわ、もふもふを思い出して、

なぜだかちょっと、寂しくにゃった。

 

「アニマルヒーラーのかおりさんは
何て言ってるの?」

また新しい、別の人間が出てきた。

“まーくん” は、その人間のことを “みーちゃん”

“ひろこちゃん” は “みほこさん” と呼んでいた。

 

「かおりさんによると、この子
ふわふわ、もふもふ、
ちゅーちゅーしたいらしいんです」

「ミルクが欲しいってことかしらね?
・・・そういえば、どこかに
うちのまるちゃんやテトくんが
仔猫の時に使った哺乳瓶とミルクがあったはず!」

ガタガタとあちこちの引き出しを開けた

“みーちゃん” は、そのうち

「あった!!!」とにっこり笑い、

「しかも、ミルクを作るのに
お湯を沸かそうと思ったら、
電気ポットの中に残っていたお湯が
ちょうど人肌くらいに冷めてる!」

 

吾輩は、“みーちゃん” に捕まった。

みーちゃんが、何かを

吾輩の口に押し付けてくるので

ぎゅっと口をすぼめて

逃げようとしたにょだが、

にゃにか、甘くてあたたかな匂いがして

思わず口を少し開けてしまった。

そうしたら、

ふわふわ、もふもふ、ちゅーちゅーと

同じ味がして

吾輩はむちゅうでちゅーちゅーした。

 

ついさっきまで、吾輩のまわりには

つめたくてかたくて

トゲトゲしたものしかなかったのに、

にゃんだかここはあったかで、

にゃんともいえずほんわりとして

お腹もいっぱいで

眠くなってきた。

 

猫募金

ふわふわ、もふもふが

毛繕いをしてくれているみたいに

優しく人間になでなでされながら

うとうとしていると、

「これから午後の講座なの。
そろそろ行かないといけないわ」という

みーちゃんの膝から

吾輩はひろこちゃんに抱き上げられ、

車に乗せられた。

「これから動物病院に行くからね。
私がいるから大丈夫よ」

ひろこちゃんは吾輩にそう言った。

 

「・・・うんちに木の枝が混じっているので、
この子は、食べるものが何もなくて
手当たり次第に口に入ったものを
食べるような日々を送っていたと思います。
とにかく生きるために。」

“先生” がひろこちゃんにそう言うと、

ひろこちゃんはギュッと吾輩を抱きしめた。

 

次に着いたところはひろこちゃんの家らしい。

しばらくすると、また違う人間が現れて

ひろこちゃんににゃにかを渡している。

「美穂子さんから仔猫のこと聞いたよ。
これ、今日、美穂子さんの講座を受けていた
私たちからのカンパ。猫募金。
病院代とかキャットフードとかに使って。
ひろこちゃんだけに
負担をかけるわけにいかないからね♪」

 

出会うべき人に出会う

「え!?ちょうど一昨日???
猫を飼う夢を見たところなの?」

ひろこちゃんが電話口で叫んだ。

 

電話を切ったひろこちゃんは、

ニコニコして吾輩をなでなでした。

「あなたの家族が見つかったよ。

そのお家には、
お兄ちゃんがいたの。

お兄ちゃんはご病気で、病院に入院していて
“病気がよくなったら
仔猫を飼おうね”って
お母さんと約束していたんだって。
仔猫の名前も、決めていたんだって。

でも、お兄ちゃんは
天国に行ってしまったの
仔猫と暮らし始める前に。」

 

ひろこちゃんは、

どこかに電話をかけ始めた。

「あ、もしもし? みほこさん?
仔猫の飼い主が決まりました!
ただ、問題が一つあって・・・
お住まいが北陸なんです。
愛媛から北陸まで、
どうやってこの子を連れて行こう?」

 

電話の向こうで聞いたことのある声がした。

「ぼく、連れて行こうか?」

 

愛媛から北陸へ、玉の輿の旅

ひろこちゃんが、吾輩を

赤いリボンでおしゃれさせてくれた。

にゃんだか誇らしい気分だ。

 

 

吾輩は、まーくんに連れられて

雨の中、新しいお家に向かった。

ひろこちゃんやみーちゃんとさよならする時は

胸がギュッとするのを感じた。

いつかどこかで感じたことのある痛みだった。

車の中では、時折

まーくんのあたたかい手が吾輩に触れ、

話しかける声が遠くで聞こえた。

 

どのくらい時間が経ったのか、

まーくんの手が、吾輩をそっと抱き上げた。

「遠いところをよく来たね」

新しい、聞いたことのない声が聞こえる。

 

「あなたの名前は “毛糸”よ」

最初に吾輩を抱き抱えた、いい匂いのする人が

そう言った。

「あなたの名前はね、今は天国にいる
あなたのお兄ちゃんが考えたの。
お兄ちゃんは、“毛糸” っていう名前の猫を
飼うのを、楽しみにしていたのよ。」

「そしてね、どうやらあなたが生まれた日は
あなたのお兄ちゃんが1年前、
天国に行った日と同じ日みたいなの。」

 

 

吾輩は、仔猫である。

にゃまえは、毛糸。

 

生まれた場所はもう忘れてしまったけど

吾輩は今、とても幸せだ。

にゃん。

 

 

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