このページでは、キャラクトロジー心理学で最後に形成される人格、リジットについて詳しくみてゆきます。
(関連記事:トラウマの原因は親子の関係性の中でわからないままにしているストレス体験にある)
目次
厳しく躾けられた子ども・リジットのトラウマ
リジット人格は、幼少期および思春期に、「自分が今感じている感情は危険だ」と誤解し、人として自然な感情の動きや反応を止めてしまうこと=感情を麻痺させることがトラウマとなり形成されます。
たとえ憎しみや怒り、嫌悪感といったネガティブな感情も、人として生きている限り当然生まれてくる自然な感情なのですが、それらネガティブな感情を自分が持っていることが耐えられずに、体を硬くして反応が外に出ないようにすることで、愛や喜び、幸せをも感じられなくなってしまうのです。
また、性器への興味や性の目覚め、性衝動を恥ずべきものとして抑えられる経験もリジット人格のトラウマとなります。
こうして、今自分が何を感じているのかがわからなくなるため、反応は画一的で無難、面白みのないものとなります。
リジットのトラウマの具体例
・毎日決まり切ったスケジュールを淡々とこなす
・家庭では厳しくしつけされ、学校では規則に従わなければならない
・「世間の常識」が一番の基準となる家庭に育つ
・無難で枠に収まって「ちゃんと・きちんと」していることが一番の美徳と教え込まれる
・家族団らんの時間にテレビでベッドシーンが流れたときの緊張感や親の態度
・性への興味、恥ずかしいこととして咎められる
・女性らしさ、男性らしさ(セクシャリティ)を否定されたと感じる経験
リジットの見た目の特徴・印象
いつもピシッと背筋を伸ばし姿勢も良く、全身の均整が取れていてスタイルはいいが、感情を感じないように常に体を緊張させているため色気や隙がなく、どこか非人間的な印象のある場合も。
上半身は動かさずに足だけを動かして歩いているような歩き方をする。
セクシャリティを感じまいと骨盤をしっかり固めているため、腰を回したり動かすような動きが苦手。
どのように振る舞えば良いのかをいつも気にしているため、一見何の問題もなく非の打ち所がないように見える。
真面目な優等生タイプ。
ディフェンスに入ったリジット
その場のノリや流れで行動することができず、予想外のことが起きるとパニックになります。臨機応変・柔軟・融通を利かせるということが理解できません。
自分の感情がわからないので、「感情」を聞かれても感情ではなく理由や意志を口にします。
波風の立たない決まり切った無難なパターンを送ることが何よりも安心で安全だと信じています。
他人に対して無神経になりがちで、横柄で高飛車な態度を取り反感を買うこともありますが、相手の反感にも気づかないので人間関係に悪循環を生み出してしまいます。
自分のプライドを守ろうと、人の言うことを聞いているようで決して耳を貸さず、何を提案しても「私は大丈夫です」と跳ね返されます。
感情や衝動を凍りつかせているため、恋愛はいつも同じ、マニュアル通りの決まり切ったパターンのみ。相手から求められるままに応じるだけの無味乾燥なものとなります。
突然、狂気めいた考えが頭をよぎることも……
リジットのディフェンスが招く人生の不具合
・人生は無味乾燥でつまらないものとなるが、本人はそれが人生だと思っている残念な結果に
・決まったパターンを繰り返し続けた結果、パーキンソン病を発症することも
・完璧主義が高じて潔癖症や強迫観念に苛まれる
・愛とエロスのない味気ない生活が一生続く
・「私は大丈夫」と他者からの提案やサポートを跳ね返し続け、やがて孤独になる
・自動的に自分や相手の感情を公式に当てはめて考えようとするため、非人間的な印象がより強くなってしまう
リジットが人生で果たすべきテーマ
いつも完璧で理想的な自分であろうとせず、本当の自分自身、真正な自分自身であることにチャレンジしていくことがリジットの大きなテーマです。
「ちゃんと、きちんと、適切に」の呪いから抜け出すこと。
そのためにも感情を感じ、表現し、また相手にも感情があることを理解し、尊重し、分かち合うという体験を重ねること。
生活の中のすべての行動に思いやりを込め、機械的に、スケジュール通りに“こなす”ことをやめる。
リジットが持つ深く静かでどこまでも広がる愛に自分を開いていく。
愛とセクシャリティを結びつける。
リジットのエッセンス
♢献身的で忍耐強い性質と高度な管理能力を持つ優秀なリーダー
♢いるだけで場に秩序をもたらすことができる
♢秘めた情熱と静かに深く広がる愛
リジットがエッセンスで生きるポイント
・体を硬くすることで感情やセクシャリティを封じ込めているので、体をゆるめ、柔らかくしていく
・「決まったことだから」「普通はこうするものだから」ではなく、常にそこに愛があるかを自分に問いかけながら、人間らしさを取り戻す
・ネガティブな感情があってもいいと知る。持つことを自分にゆるす
・常に完璧でいなければならないことを自分に課すのをやめ、失敗することを自分にゆるす
・「大丈夫」「ちゃんと」「きちんと」「しっかり」の枠から飛び出して自分の情熱や衝動に従う訓練をする
・「今、自分は何を感じているか?」を丁寧にたどる
リジットのエッセンスを持つ有名人
マーティン・ルーサー・キング牧師
逸見政孝(タレント・アナウンサー)
稲田朋美(政治家)
アーノルド・シュワルツェネッガー(俳優・政治家)
出木杉くん(アニメ『ドラえもん』登場人物)
現在の悩みから紐解く、
「トラウマはこうして生まれる」実例集(リジット編)
人に見られていると緊張して自然に振る舞えない
・子どもの頃、習い事の練習のときには母親からつきっきりで指導され、うまくできないと怒られたり、母が不機嫌になったりした経験。
・父親に勉強を教えてもらって、理解できなかったりわからなかったりすると父が不機嫌になり、できるまで解放してもらえなかった経験。
「したいこと」より「しなければならないこと」を優先してしまう
・興味のあることがあっても、上手にできることを求められると楽しめなくなり、できないと思うものには最初から手を出さなかった。
・上手に無難にこなさなければ認められないし、褒めてもらえない体験。
・すべきことを終えてから出ないと、自分のしたいこと(楽しいこと)をしてはいけないと言われていた経験。
感情をコントロールできるのが大人だと思っている
・子どもの頃、賑やかにしていると父に「静かにしろ」と怒られた経験。
・気性の激しい父親が目線やエネルギーでマイナスの感情を撒き散らしてくるのがキツく、自分も母も常に気を使っていなければならなかったという体験。
女性らしい魅力が身につかない
・父に認めてもらうには父を超えなければならない=男性と闘うような心持ちだった。
・社会の中で生きていくには強くなければならないという誤解。
・女性らしさはない方が良いという誤解があり、男性のようになろうとしていた。
職場でパワハラに遭う
・父がよく怒鳴り、叩く人で、父が恐ろしいと思うと同時に腹が立っていた。
・子どもの頃、親に頻繁に怒鳴られたり、肉体的な苦痛を伴う恐怖を感じる体験をしてきた。
自分に自信が持てない/自分が恥ずかしく、劣った存在だと思いリラックスして人と関われない
・両親から些細なことで「お前は恥ずかしい、みっともない」と言われ続けてきた。
・小さなことで激しく叱責された体験。
・ルールに従わず恥をかかされるという処罰的な体験。
時間に遅れそうになると過剰に焦る
・父が厳格な人で、父の言う通りにすぐ動かないと怒鳴られた体験。
・両親ともにスケジュール通り、時間通りに物事をこなしている人たちだった。
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