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【エントリーNo.051】 夢草家 Naoko 「幽霊になりたくない!」

【エントリーNo.051】

夢草家 Naoko
作品タイトル : 幽霊になりたくない!

いつ死んでもいいし、人柱募集なんて応募があれば、「いいですよ、私いきましょう」って 言えるぐらい、生きてても死んでも、どうでもよかったけど、 自分が産んだこどもたちを守るためには、生きなきゃと思っていた十数年前までの人生。

「こんな生き方をしていたら、死ぬときゃ幽霊だわ!」

当時、怪奇現象ととにかく歪んだ現実の中で、それを逃れるためにネットの世界に入り込んでいた。
そんななか仲良くなった人たちに、苦しくてたまらないんだって話していた。
おなじように、多かれ少なかれ周りの人たちも、とっても苦しんでいた。
傷を舐めあうように、昼夜を問わず時間ができたら、集まってネットで話し込んでいた。
そんなことでは、なにも現実は変わらず、気は紛れても、なんの解決にはなっていなかった。
時には、気が紛れるどころか、他人のどうでもいい問題に巻き込まれ、ストーカー男が家の近くにまで来たこともあった。
仕事をしている時間以外は、ほぼパソコンを開き、気をまぎらわせていた。

ほんとに歪んだ現実のなかで起こりまくる怪奇現象と悪霊の声にたまりかねて、霊能者さんを探しまくっていた。

そんななか、ネットで親しくなった友人を介して、紹介されたのが、ひとりのヒーラー。
当時、ヒーラーって職業がどんな人なのか、全く理解できていなかった。
よくわからないが、なんでもいいや、なんとかもらえるなら、だれでもいいし、信用できそうな友人が紹介してくれたんだから、とりあえず、依頼してみようと、ある日思い立ちました。
じつは、なんどか紹介されたんだけど、スルーしていたんだけど、友人がその人しか紹介できないし、私に言われても力になれないし、というように言われたので、仕方なくだめもとで、連絡をしてみるに至ったのです。

受けるに至っては、項目の多い問診、さらに、写真を送れという、、、、
ほんまにうっとうしいなあおもいながらも、そこまで、きちんとうるさいんだから、ちょっとはなんかいいんだろう、と、おもいつつも、適当に問診票を 記入し 受けてみた。
まあ、受けようとしたら、問診票が送れないだの、写真がつかないだの、いろんな問題が発生しました。
こんだけ、拒否られるんだから、なんかいいもんなんだろう、と、ちょっとなにがなんでも受けてみたいって、気持になったなあと、すんなり行かなかったことで受ける気がかりたてられたのを思い出す。

このとき、はじめて、今のHITのヒーラーの方たちができるヒーリング手法で行われるヒーリングを受けたんですが、
これまで受けたことのあるエネルギーアプローチ術みたいなもののなかで、唯一ほんとうに、槍のように光のエネルギーを飛ばすだけでもなく、魔道具を使って、呪の札を貼るような感覚でもない、斬新なアプローチが行われました。
ほんとうに、エネルギーを調整しながら、触れられたような感覚です。
人にリアル触れられるのが大嫌いなわたしは、
触れたなお主!今なにをしたのだ、私に!と怒りに似た感覚で、そのとき尋ねました。
「今、なにかされましたか?」
「あなたがヒーリングしてほしいというから、ヒーリングをしてます」と、答えがかえってきて、
「これがヒーリングたるものか!!!」と、半信半疑だけど、体になんかかんじるものがきちんとある未知なるものを知った瞬間でした。

このときから、もうかれこれ16~17年になります。

当初のヒーリングでは、私も敬意というものは皆無で、朝起きれない、頭が痛くてたまらない、とか、霊障でなんかくっついてるのはわかるけど、自分ではどうもできない、頼んで寝てたら、起きたら、スッキリすることは、絶対だし、とにかく、体調わるくなれば、依頼して、寝ておこう、そんな感覚でした。
今思えば、なんたる不届き者なんだと、自分でもちょっと恥ずかしいです。時に、たばこを吸いながら、ヒーリングを受けていて、ヒーラーが、いきなり不機嫌に怒って無言になってしまうことがあり、それに対して、私が逆切れ気味になることもありました。
全然寄り添ってもらってる感覚はないように受けることもありまくりました。

でも、どんなときも、どんな怒っていても、ヒーリングは、最高で、おわったあと体はとっても喜んでいました。
しばらくは、ヒーラーの方の人間性に、嫌な人だなあと、思いながらも、ヒーリングは最高で、そのヒーリング後の体の軽さや心地良さや見る見る元気になることに、やみつきになっていました。
その後、しばらく、ヒーリングが途絶えていたとき、私自身の体に異変が起こりはじめ、次から次へと病変が起こり、どうにもとまらなく悪化していくなかで、不安に圧し潰され、途方に暮れかけて、絶望にはいりかけていきました。
悪くなりはじめてからは、とにかく助けてほしい一心でヒーリングを依頼した。
ヒーリングを受ければなんとかなるかもと、期待してです。このころから、少し自分のヒーリングやヒーラーの方の在り方への敬意が芽生えはじめていました。
ヒーラーって存在に信頼できるかもって、気持ちも湧いてきました。
せめて、ヒーリング中はタバコ吸わないでくださいと、言われることばにも、従い、いままでよりは、真摯に受けるようになっていました。
度重なる病変のなか、治したい、生きたいって気持ちも強くなってきました。
なにかを努力することで、生きれるのなら、力の限り精一杯やってみるから、私が生きるためにサポートしてくださいと、ヒーラーに対して、思うようになっていました。
そんななか、それでも絶望を感じかけたときもありました。

でも、このころ、「もうだめだわ。あきらめたほうがいいのかなあ」みたいな言葉を吐くと、
言葉ははっきり覚えてないけど、「生きたいとおもってなく、あきらめてるなら、サポートできない」みたいなことも言われ、でも、「あなたが生きたいとおもうなら、たとえ1%でも可能性がある限り、わたしは、サポートする」とはっきりと、言われました。

ほんとに、ずっとどんなときも、そばにいてくれました。
不安でいっぱいなときにも、そこにある1%の可能性を最大限に生かすためになにかできることをユーモアをもって提案し続けてくれました。
どんな最悪な気持ちで電話しても、話していると、クスッと笑えて、明るい気持ちで電話が切れました。
もしもの時は、自分が、私の大切なこれだけは、守りたいと当時おもっていたものを守ってくれると、約束もしてくれました。

当時のヒーリングでは、わたしが不安で、いっぱいで、わらをもすがる思いで、ヒーリングを受けても、終わるころには、「生きるために、じゃあ今からなにをしようか?」「こうしてみよう」と、
チャレンジする気持ちに変わっていました。

どんな絶望的な場所にいても、必ず、そこに、希望があることを、いつも提案したり、伝えてくれたり、悲壮感をもって話したことを、ユーモアをもって、希望に変えてもらってた。
何度も何度も、諦め挫折しそうになった病との闘いのなかずっとそばにいて、ずっと、あきらめずヒーリングと希望にむけての提案をし続けてくれました。
そして、それは、ただポジティブに願えば叶うとか、生きようとおもえば絶対死なないよ、という無責任な言葉かけだけではなく、
いつ死が訪れても、受け入れれるように、この世に悔いが残らないように、まず死を受容しなければいけないという現実逃避できないことも大前提伝えてくれて、そのために、
やるべきことをきちんとやるように、そこも伝えてくれて、
もし、死んで幽霊になっても助けてくれる約束をしてくれて、そのあとに、生きるためにできることをとにかくサポートし続けてもらいました。

そんな日々から十数年が経ちました。
おかげさまで、今も、生きています。
いまは、年々体力もつき、病におかされて死ぬかもという恐怖からは、遠のいています。
いつまで生きれるんだろう?ひょっとして、長寿なるんちゃうかってぐらい健康をかんじていますが、今でも、わたしは、明日命がなくなっても、悔いがないような日々を生きたいと、常々思い、生きています。思いはあってもなかなか実行できてませんが。

そんなわたしですが介護職員として、日々、いろんな人と関わっています。
余命数か月から1か月とか、明日命のともしびが消えるかもしれないよって方とも、日々関わっています。
そんななか、時に、死を受容できず、恐怖心のみのなかで、震えて動けなくなってしまっている人にも出会います。
理不尽な現実に、怒りしか湧いてこない人にも出会います。
悲しみにただ明け暮れている人にも出会います。

こんな人たちと関わるとき、わたしが、どんなときも、いつも一人のヒーラーに寄り添ってもらったときの感覚を思い出します。
あり方を思い出します。
どんなときも、ただ、無責任な優しいだけの言葉ではなく、本当に、必要な言葉をかけてもらい、絶望感にかられたとき、ただ慰めるだけの言葉がけではないことばをもらい、覚悟と希望と、諦めないことを教えてもらった。
死の受容の過程もできる限りのことを学べることを学んで恐れじゃない場所に居て、それでも死にたくない、生きたいという選択のなかにいることを 選ぶことができた自分。
私がヒーラーに学んだことを、自分もターミナルケアの場所で、悲しみ苦しみ、恐れの中でいる人に、少しでも伝えたい。
また、マスクで、冷血ななにをみてもなにもかんじないロボットのような介護ではなく、そこに関われる人で在りたい。

わたしは、今までもこれから先も、体が動く限り、介護職員として、人と関わって、関わった方の生活をサポートしていきたいとおもっています。
自分がその場所に居た時、一緒にいてくれた一人のヒーラーの存在、その方の在り方を思い出しながら、自分もターミナルケアのサポーターとして一人でも多くの人に触れたいです。

また、私生活で家族や友人、職場の関係者との関わりのなかで、いろいろな場面で、さまざまな問題が起こります。
今も、定期的に受けているヒーリングの時、こんなことあったと現実の不具合などを、シェアすることで、なんらかのヒントをいただいたり、 その現実が、どうして起こったのか?と、自身の過去との因果を探求していくみちしるべを示してもらっています。

こうして、最高のヒーラーに出会えたおかげで、わたしのマスクで覆われまくり、幽霊と自身の闇の声に苦しみまくり、生きているのか、死んでいるのかもわからず、もしかしたら、幽霊と闇のなかで死し、悪霊になって、この世とあの世の間で、憎しみ、恨み、怒りのなかに存在していたかもしれないわたしの人生観は、大きく変わりました。

まだまだ、やまのように、日々起こるいろんな現実は、感情的反応が抑えきれず、てんやわんやすることがいっぱいありますが、確実に、以前とはちがってると言い切れます。

これからも、あの日のあの場所でのあり方をヒントに、自分自身のために、一人でも多くの方の生活のサポートをし、死を看取り、自分自身が死すその日のために、気づきと学びを習得していきたいです。
死んだとき、幽霊になるの嫌だ、怖いよ~と、叫び死ぬのではなく、穏やかに、子供たちとのティタイムにコーヒーの香り漂うなか息を引き取るように死にたい。

どんだけ知って、どんだけ学んでも、また、どれだけたくさんの死のその場に直面しても、知り足りなく、わからなく、まだまだ死の恐怖は尽きません。
それでも、わたしは、死んだとき、幽霊にならないために、穏やかに「行ってきます」と、次なるステージに移行するように、死ねるように、生きたいです。命尽きる日まで。
その日まで、わたしも、死の恐怖に怯えず、余命宣告を恐れずに過ごせたように、同じような場所でパニックになったり、恐怖に押しつぶされている人に、少しでマスクでなく寄り添える人になりたいです。
まずは自分自身のために。
自分自身のために、模索する過程で、ひとりでもふたりでも、恐怖から解放され、穏やかに息をひきとることができるように、サポートしていきたい。

このエピソードの中で、あなたは何によって癒されたと思いますか? : ヒーリング

【作品応募者について】
どんな職種・お仕事をされていますか? : 介護

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