ハートインタッチアワード

子どもの世界が「幼稚園行きたくない」から「お友達と遊ぶの楽しい!」に変わった【ハートインタッチアワード2021ノミネート作品】

ハートインタッチアワード2021
こころのレスキュー大賞ノミネート作品

【エントリー48】中村 敏子(なかむら としこ)

ハートインタッチアワードとは?

ハートインタッチアワード・こころのレスキュー大賞は、誰かに真に心に寄り添ってもらった体験、誰かの心に真に寄り添った経験を通して、真に心に寄り添うサポートとはどんなものかを実例を通して多くの人に広く知ってもらうことを目的に設立した賞です。

エピソード
Aちゃんのお母さんがAちゃんのある症状についてとても悩み、連絡をくださったのが5月頃のことです。メールで状態を伺ってみると、その症状がどんどん悪化し、ゲーム依存になり、幼稚園にも行きたがらないということでした。

5月の終わりに一度お母さんにカウンセリングを受けていただきました。子どもというのは日常のちょっとしたことで誤解をしてしまうこと、その誤解のまま生きているので辛くなってしまうこと、日常生活の中で誤解を解いてあげると子どもの内側に安心感が芽生えること、などをお話しました。そして、ゲーム依存は心が元気になれば自然とおさまるだろうことをお話しました。そして、Aちゃんには箱庭セラピーとヒーリングをお勧めしました。

Aちゃんが初めて我が家に箱庭セラピーを受けに来たのは6月初めのことです。私はどんなお子さんでもウェルカムの気持ちで接することを心がけていますし、実際とてもかわいいのです。
Aちゃんは最初の箱庭では、まず自分の世界を破壊することを表現し、そののち別の世界をつくり、怒りと死と再生を表現していました。もちろん本人の意識の上ではただ楽しく遊んでいるだけです。心の深くに抑圧されている感情が箱庭には現れます。そこにセラピストが立ち会うことにより、激しい感情も安心・安全の中で表現が可能になります。立ち会う私はグラウンディングを意識しています。

次の箱庭では、破壊と対立が表現されていました。私は具体的な現実は分からないけれど、すごい葛藤があるんだね、と心の深いところでそこに寄り添います。
3回目の箱庭では、最初から死の表現が現れました。それを大仏(大いなるもの、神聖な物)が見守っている感じです。そしてまた対立。楽しそうなアイテムも現れつつ、どんどん対立の表現がなされていきます。その後、殆ど全てのものが死に、そして何かお宝のようなものが現れました。
この全てを大仏が見守っています。箱庭の知識がある人が見ればすごいプロセスが起こっているのですが、本人は楽しく遊んでいる意識で、「あー、楽しかった!」で終わりました。

Aちゃんはとても寂しがり屋で、箱庭を終わって帰る時になると「寂しい、寂しい」を連発していました。そして「花ちゃん(我が家の犬)が寂しがってる」と言うのです。ここには投影が起きています。本当に寂しいんだろうなぁ、と感じ、私は「Aちゃんが寂しいんだね」と返します。花とお別れのハグをして、この瞬間、花の温かさを感じているようでした。
この世界では楽しいことにも必ず終わりが来ること、それはとても寂しいと感じるけれど、でもまた楽しいことはやって来るよ、とこの世界の真実を話してあげました。どんなことにも始まりと終わりがあるということを話してあげました。また始まりもある。どんなに年齢が小さくても、何となく伝わるのです。そんな話を聞きながらAちゃんは自分の内側の葛藤に折り合いをつけているようでした。

お母さんは「なんとしてでもこの症状を治してあげたい。」「この子を助けてあげたい。」という気持ちで、この状況に取り組む意図がしっかり立っていると感じました。この、親の意図がしっかり立っているかどうかが子どもの後々の変化にとても影響すると感じています。

お母さんにはもう一回のセッションとバウンダリーの講座を受けていただきました。親の幼少期の誤解が今の子どもへの接し方に繋がっているのです。セッションの結果、お母さんのお母さんとの関係性の中での誤解で、子どものニーズになるべく応えてあげなければならない、という思い込みがあることに気づきました。それがちょっと極端だったのです。
幼稚園がお休みの日にはAちゃんが満足するように外で5,6時間も一緒に遊び、疲れて、夕食の支度をしている時についついAちゃんを怒ってしまう、というパターンがありました。Aちゃんは怒られると、無意識ですが「自分は愛されていないかも・・」「嫌われているのかも・・」と受け取ってしまっていたのだろうと思われます。「いや、お母さん、さすがにそこまでつき合ったら私でも疲れて怒りたくなります。」と言ったらお母さんはホッとされたようでした。

そこで、お母さんのニーズも大切にしていただき、疲れたら帰ることにしていただいたところ、疲れが溜まらないのでAちゃんを怒ることも減ったそうでした。ここにはバウンダリーの問題がありました。
その後、バウンダリーの講座を受講していただき、よく理解ができたようでした。

そして、お母さんがAちゃんの様子をよく観察していてくださったので、とうとうAちゃんの誤解が解けることとなったのです。
お母さんがお子さんのためにと思い、無理してでも遊びにつき合っていたが故に、お子さんは外の世界で自分のニーズを満たしてくれない人がいると、無意識に「ボクは嫌われているのかも・・」と感じていたと思われます。もちろん本人は自覚はないと思うのですが、そこが徐々に自己否定につながり、症状となって現れていたのだと推測されます。
幼稚園やお家でお友達と遊んでいる時に、Aちゃんが「~で遊ぼう」と誘っても「イヤだよ」とか「もう遊ばない」と返ってくるたび、Aちゃんは「ボクは嫌われている」「受け入れられていない」ということが心の深いところでだんだんと確信になっていったと思われます。

Aちゃんにお友達が「その遊びはしたくない」とか「もうやめる」と言ったとしてもAちゃんのことを嫌いになった訳ではないこと、別の遊びがしたくなっただけなんだということ、みんなやりたいことが違うこともあるんだということを伝えていただくようにお母さんにお話ししました。お母さんはこのことが現実のAちゃんの状態に当てはまると言われ、お子さんの不調の謎が解けたようでした。

そして、私が主宰している自然の中の子育てひろばで実践していただくこととなりました。そこでは一緒に遊びながら子育て相談にものっています。
子育てひろばでAちゃんが皆に「~して遊ぼう!」と誘った時、他の人が「やりたくない」と言ったとしても、Aちゃんのことを嫌いな訳ではない、とお母さんから説明してもらうことになっていました。うまくいかなかったら私もサポートできます。
実際の場面ではAちゃんはなかなか他の子に声をかけることが出来ないでいました(子育てひろばはメンバーが決まっている訳ではなく、毎回変わるのです)。そこで私はAちゃんの横に共にいて「大きな声でみんなに言ってごらん。」と励ましました。Aちゃんはとっても大きな声で誘うことが出来ました。そして応えてもらい、みんなで楽しく遊び、来年もまた一緒に遊ぼう、ということになったそうです(最後の遊びの日でした)。
幼稚園でもこの体験を活かすことができるので、幼稚園でいつも遊んでいるお友達が「もうやめたー!」となった時に、他のお友達に声をかけてみることを提案しました。そして、実際幼稚園でやってみて、今ではだんだんとお友達が増えてきたそうです。まだ行きたくない日はあるものの、最近はお友達と遊ぶことがとても楽しくなったそうです。

そしてAちゃんはとても、とても心が優しいのです。お母さんがまだ辛さの中にいる頃、Aちゃんのエッセンスは「優しさです」とお伝えしていました。お母さんは嬉しそうでした。
今では幼稚園でそのエッセンスが自然と周りの親御さんの目に留まって、Aちゃんは優しいね、と言われるようになったそうです。ゲーム依存もいつの間にか脱却できたそうです。まだ症状は残っているそうですが、お母さんご自身があまり気にかけなくなり、気持ちが楽になったそうです。お母さんも少しずつ自信がついてきたようです。お子さんとの信頼関係ができてきたそうでした。

セラピーを開始してから5か月半が経ちました。まだ箱庭の表現に「対立」が現れていますので、もう少し解消するまで箱庭とヒーリングは続けた方がいいと感じますが、終了になる日もそう遠くはないのかも知れません。

子どもと対する時、私の中ではあまり葛藤や抵抗はなく「一緒にこの時間を楽しみたい」という感覚です。子どもの頃、私は何をしても自信がなかったのですが、唯一赤ちゃんや小さい子の子守りが大好きで得意でした。そんなことが今の仕事に繋がっています。子どもの感性や感覚が大好きなのです。ですので、苦しんでいるお子さんがいたら、持てるもの全てを使って助けてあげたい気持ちになります。

こんな風に親子が笑顔を取り戻したところに立ち会えるのが私のこころからの喜びであり、私自身も幼少期に辛い体験をしていますので、自分自身が本当に癒されるのです。そして、子どもの誤解のナゾ解きをするのがちょっぴり楽しくもあります。


このエピソードの中で、あなたは何によって癒されたと思いますか? : やはり、親子さんとのこころの交流があるところに癒されました。
どんな職種・お仕事をされていますか? : セラピスト
今回の応募は自薦/他薦ですか? : 自薦

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