クライアントさんの成長とご自身の成長を綴ったレポート
フリーで仕事をしていた少し昔の話になります。
もう死期を目前に迎え、死への恐怖と恐れの中に居た人がいました。
わたしには、なにもしてあげれることはないけど、時間の許す限り、一緒にそばに居てあげたいと思い、その方の元へ通う日々がつづいていました。
最初は、拒否とののしりでしたが、
気づけば、
たわいのない会話になり
SASポイントをみつけ、ゆるゆるとした会話のなかで、過去の記憶をたどっていくようになっていきました。
問題視していたSASポイントとおなじような出来事を過去にたどっていき、ある瞬間に、その人のなかの過去のとっても傷ついた瞬間をみつけ、うごけなくなっているその人をみつけます。
その場所に、気づいた瞬間、その人は、死の恐怖の因子のちいさなちいさな一つを、手放されます。
なかには、そこ~~~~!!!と、ふたりで、ケラケラ笑って、誤解に気づき、手放すこともありました。
まったりとしたとても、しずかな時間のなかを、過去へ過去へとタイムトラベルします。
その方の記憶と、平行して、わたしのなかの過去や傷の在り処にもたどりついていきます。
あなたの傷の場面で、わたしは、こんな傷を抱え、泣いていた
そんなセッションにはならないSAS的なたわいのない話をすすめる日が何日か過ぎました。
ふと、我にかえると、彼はもう、暴れたり叫んだりされることもなく、とても、おだやで、静かに、自身の記憶をたどる旅をされていました。
ただ、地図もなく、旅に出かけられると、旅先で困ってしまい、立ち往生されることが、多々ありました。
そこで、ある日わたしは、SASのテキストがその方の宝の地図になると思い、SASレベル1講座をすすめました。
「こんな宝の地図をお渡ししますよ」と、
そして、この地図やあんちょこの利用法はもちろん、使い方を丁寧にお伝えしますと、お約束し、SASレベル1講座を受けていただく運びとなりました。
さて、講座は、日数を決めず、丁寧にテキストを読み解き、自身の体験をすごろくのように、あてはめ、コマを1つずつすすめていきました。
テキストをその方にお渡ししたあとは、
ずっとベットサイドにテキストが置いてありました。
SASのやりかただけ、見やすい版にして、お渡ししたにもかかわらず、枕元にはいつも、テキストがありました。
こうやって、その方は、わたしが尋ねるのを話したいことがいっぱいある子供のように、待ち、顔をみると、ニコニコと自分がやってみたSAS内容を聞かせてくださるようになりました。
結局、SASレベル1の修了書を待たずして、旅立たれたと記憶します。
御棺のなかに、そっとSASのテキストもいれさせていただきました。
このお客様との時間を通じて、また、この方が安らかに永眠されたことで、わたし自身の死への恐怖もすこしだけ小さくなりました。
そして、最期の瞬間まで、
ひとは変わる、未来が変わるんだなあと、すごく思えるようになりました
この方と出会い別れるまでは、
長いようだけど、ほんの数日のできごとです。
ちょっと主旨からずれているかもですが・・・・
私自身、このクライアントさんに、出会えたことで、死への恐怖が少しゆるみました。いつからでもいい、たとえ死の目前でも、そこで、なにかに気づき、そこにある傷を癒せても癒せなくても、世界は変わる。
死後の在りかたが変わる そんな風に、思えるようになりました。
どうしょうもないと諦め、怖いけど、なにもできないで、恐怖に怯えながら死ぬぐらいなら、たとえSASの1回でも、できる自分でありたい、あらなきゃと、このクライアントとの出会いで気づきました。
遠い記憶です